東日本大震災の記憶 第2話 in 日立市大みか

揺れが止んだ後

第1話から読みたい方はコチラから

 

こんにちは、Motegiです。

東日本大震災の記憶の第2話です。

私は徒歩だったので問題ありませんが、

電車の人は大変だったようです。

 

自宅への帰り道、道路が凹んでいる。

電線が垂れ下がっている。

道路には壊れた瓦が散乱している。

途中で見た家屋はこんな感じでした。

「天変地異・・・。

とんでもない事が起きた!」

と思い、続いて頭をよぎったのが、

 

津波

これは、子供の頃に観たアニメ

未来少年コナン(宮崎駿監督)

で描かれてました。

大きな地震の後には津波が来ると。

 

ここは海のすぐ近く。

夜は、波の音を聞きながら

寝ることが出来るという、

平時なら贅沢な場所です。

 

自宅に戻って、

ドアを開けようとしたのですが、

建物全体が歪んだのか、

開かない。

 

それでも強引に扉を引っ張ってこじ開け、

どんな状態なんだ?

と思いつつ恐る恐る中に入りました。

同時にドアは閉まるのか?

と思いつつ、

もしものために開けておくことに。

 

部屋の中は、心配に反して

棚から本やDVDが落ちている。

グラスが1個落ちて床に転がっていたが、

割れてはいない。

 

あとは、

机からプリンタが落ちそうになっていた程度。

 

拍子抜けでしたが、

直ぐに思ったのが揺れの方向。

 

90度違っていたら部屋は滅茶苦茶。

というより建物も危なかったのでは?

です。

 

部屋を整理していると、

「水道停止」

の案内放送が町内で流れていたため、

バスタブに水を貯めることに。

 

少々濁ってましたが

この際そんなことは言っていられません。

※この時のこの行動が後に幸いします。

津波襲来

水を貯めていると今度は

津波注意の放送が流れました。

そう、

ここは目の前が海なのです。

水が貯まったことを確認してから外に。

 

外では何人かが海を見つめています。

理由は津波を見るためです。

 

その中の1人が言うには

10メートルを超える津波がくるとのこと。

 

内心、それじゃあ助からない。

逃げようにも道路は瓦礫で

車は走れないし、逃げる場所も知らない。

 

開き直りの気持ちで、

いつも行っている近所の個人経営の

スーパーに行ってビールを購入。

 

加えて、

助かった時の事を考え、水やパン、

その他これから必要と思われる物を購入。

→この判断も正しかった!!

 

そして、

ビールを飲みながら海を眺めていました。

ある人には「余裕だね」と言われました。

 

10メートルを超えたらダメだけど

それ以下なら、助かるかもしれない。

私が居た場所はそういう高台でした。

 

いや、多分そうじゃないです。

自分だけは助かる。とか、

そんな事が起きるはずがない。

根拠はないけど、

そんな気持ちだったと思いまいます。

 

それから十数分。

海面が下がっていき海底があらわになります。

 

いよいよ来るか!!

と待ち構えていたところに、

津波が押し寄せてきました。

見下ろした場所にある家屋に

波が迫ります。

そして1階部分が波に浸かりました。

その後、

「メキ・メキ・メキーーー!!」

と音を立てながら波が引いていきました。

その家屋と駐車していた軽トラックと共に。

時間にして数秒。

 

家主はどういった気持ちで見ていたんだろう。

津波の高さは、

後で聞いたところ約4メートルとのこと。

 

それで私は、自身も住居も助かりました。

しかし、

坂道を下ったところにある家は

被害にあいました。

私の視界には先程の家しか入りませんが、

他にも海岸通りには沢山の家があります。

 

見に行きたかったのですが、

通行止めで下って行く事が出来ません。

 

視界を遠くに移すと、

少し沖合にワゴン車が海に突き刺さって

いるのが見えました。

 

その日の夜。

電気は止まっていたため日没とともに

闇につつまれます。

 

月が出ていたかもしれませんが、

もし月も出ていなければ、

本当に闇です。

 

懐中電灯は持ってましたが、

緊急時のため、点灯だけを確認して使用せず。

結果、室内は闇でした。

 

車に行って

ラジオをつけ状況を確認しました。

しかし、車の使用が勿体なく感じ

数分聴いて部屋に戻りました。

 

こうなるともう

食べて寝るしかありません。

 

前もって買っていた食料から食パンを一枚、

そして缶ビール1本で終了。

 

この時、

目の前にある食料を見ながら、

これが無くなったら・・・とか、

今度は何時、食料が買えるんだ?

といった気持ちでした。

 

そしてベッドに入り、

携帯電話のワンセグで

テレビのニュースを観ました。

 

ちょうど仙台空港に

津波が襲いかかっていく映像が

流れていました。

 

それを見ながら、やっぱり

とんでもないことが起きたんだ。

 

あらためて、そんな気持ちになって、

他のチャンネルでも

地震、津波の映像を観ました。

 

そして、

携帯のバッテリーが少なくなり、

警告が表示されましたが充電も出来ないし、

このまま観てました。

やがてバッテリーが尽き、

画面が黒くなりました。

 

この瞬間、

世の中との繋がりが切れたような

気持ちになりました。

 

やることもない。

と言うより何も出来ない。

寝るしかない。

そう思い、眠りにつこうとするが眠れない。

 

病気でもなければ、

こんな時間に眠りにつくなど

今まで無かったし、

これからどうなるのか?

 

神戸の地震の事を思い出したり、

色々と気にしたり。

何時間か眠れない時間を布団の中で過ごし、

そして翌日を迎えました。

 

この時点では、

まだ状況が分かっていません。

寝る事が出来る場所があるだけ、

全然、恵まれていることを・・・。

 

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