登場人物
・Motegi(私)
・加藤(協力会社のシンガポールオフィス社員)
・ゴウ(シンガポール工場の社員)
突然の出張指示
こんにちは、Motegiです。
今回はシンガポール訪問記の第12話。
今回は1人で行った時のお話です。
だから登場人物も少ないです。
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自社で勤務中の午後1頃、課長に呼ばれました。
「今からシンガポールに行ってくれ!」
「えっ!」
「お前が担当したあれ、トラブルらしい!」
「はぁ」
そして自宅に戻って出張準備をして
もう一度会社に戻り、手続きをして
成田空港を目指し、まずは上野へ。
こういった突然の出張指示は
これまでも、多々ありました。
だからといって慣れるわけではなく、
嫌でした。
いや、嫌になっていました。
羽田行きの飛行機が満席のため、
新幹線で行く事になり、上野で一泊して
翌日、シンガポールにフライト。
現地で3日というスケジュールでした。
上野でのちょっとしたお話
上野の1泊で、心に残っている事があります。
それは宿のことです。
ホテルと名乗ってはいるが、
「???」と、感じた宿です。
上野駅から歩いて数分。
人気の少ない通りにありました。
宿帳に記入して部屋に行こうと階段を昇る。
「ギィー、ギィー」と音がします。
そして、廊下を歩くたびに
「ギィー、ギィー」と音がします。
部屋の扉や室内は、昭和40年代の下宿屋を
感じさせる佇まい。
薄暗く、心霊現象が起きる雰囲気が満載。
特に、
写ってはいけないものが写りそうな
鏡が不気味でした。
部屋を見渡してもテレビがありません。
風呂もトイレも共同です。
下宿屋をそのま宿にしたのか?
と思いました。
風呂に入ろうと1階へ。
案内されたのが1人しか入れない浴槽。
体育座りから更に脚を身体に引き寄せないと
入れないほど狭いです。
しかも形は扇形。
そこに24時間風呂の機械が設置。
ただでさえ狭いのに、
こいつが更に狭くしている。
というか、
風呂のお湯入れ替えてないのか?
風呂から上がってビールでもと思い、
自動販売機を探したのですが、見当たらない。
フロント(一応)に聞いてみたら
「ああ、ビールですね。」
と言って、
後ろにあった家庭用冷蔵庫から
瓶ビールを取り出し、目の前で栓を抜いて
私に渡しました。
値段は憶えていません。
テレビもない部屋で、コンビニ総菜で
ビールを飲み、もう一本と思ったのですが、
面倒になって、これなら外に出れば良かった。
と、思いながら寝る事にしました。
無事、
怪しい現象に遭遇する事もなく朝を迎え、
チェックアウト。
確か5000円くらいだったような。
上野駅から数分にしては格安です。
格安ですが泊まりたいですか?
※2020年時点での存在は不明です。
不具合の調査開始
シンガポールに到着しました。
空港には協力会社の加藤さんが迎えに来ていました。
加藤さんの車に乗って現地の工場へ向かいます。
2年ぶり位だったでしょうか?
工場の周囲は更に整備され、
工業団地のようになっていました。
立ち上げ時は、離れた駐車場から
土の道を歩いて工場に入ったのですが、
今は工場の横に駐車場があります。
工場では担当のゴウさんがエスコートします。
そして加藤さんはオフィスに戻って
夕方に迎えにくるという段取りです。
現場に着いてパソコンを起動させて
調査の準備を行い、装置の状態を調べます。
「設定されたデータが消えた。」
という事でしたが、確かに画面上では
データが全て「0」を表示しています。
しかし、私がパソコンを接続して
調査してみるとデータは消えていません。
正しい値が設定されています。
一応、全てのデータをバックアップデータと
比較して問題ない事を確認して
ゴウさんに言いました。
「これはうちの会社の問題じゃないですよ。
画面を作った英国の会社のバグですよ。」と。
バグ:訳すと「虫」になります。
動作の不具合の原因となる不完全なプログラム。
このバグを解決することをバグ取りとかデバッグと言います。
ゴウさんは
「本当ですか?」
と答えますが、私が返す刀で
「じゃあ、運転しましょう。」
と言いました。
データが「0」なので
運転を止めていたようです。
そして私が運転ボタンをON。
いつも通りに装置が動き出します。
そこから1時間ほど二人で
運転状況を見てましたが、
何の問題も無く運転します。
そこでゴウさんが
「上司に報告してくる。」
と言ってその場を去りました。
そして上司を連れてきて
3人で運転を見る事になり、
結局、午前中一杯運転して
トラブルなし。という結果になりました。
その間、画面上のデータは
ずっと「0」を表示しています。
代わりの私のパソコンのモニター画面で
データを見てもらってました。
午後、
英国の会社に連絡して対応してもらう。
ということが打ち合わせで決まり、
私も自社に連絡を入れて、
役目を終えました。
普通ならここで日本に帰るのですが、
会社が手配したのは、変更がきかない
格安チケット。
残りの2日、私はシンガポールで
過ごすことになりました。
Moteの締めの一言
白人というのは、なかなか自分達側に
問題があるということを認めません。
シンガポールの工場からは、
英国の会社にも装置の状態を
伝えたそうです。
しかし、英国の会社は、
日本の会社のプログラムに問題がある。
と言っていたそうです。
それが蓋をあけてみると・・・。
私と入れ替わりに、英国のエンジニアが
現地入りして修正したみたいです。
誠実に対応した日本は株を上げ、
英国は下げました。
今後、自分はどっちの道を歩みたいか。
答えは言うまでもありません。
追伸
シンガポールの話と言いながら
今回は、半分は上野の話でした。
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