ヌンチャクの相対稽古と武器術への考え
こんにちは、Moteです。
この記事で、
ヌンチャクに関してお届けでしたが
追記したい内容があり今回書くことにしました。
後編から続けて投稿したかったのですが、
野球の「プレミア12」で言いたいことがあり、
その記事を間に挟んでしまいました。
ヌンチャクの稽古・パートナー編
前回までお送りした内容は
1人で行うための稽古方法です。
ただ、
1人で行う稽古だけでは限界があります。
理由・・・それは、
相手(敵)があってこその武技ですから。
それでは始めていきます。
前回、段ボールを写真を紹介しました。
ヌンチャクで打ち続けていくと、
段ボールはボロボロになっていきます。
そこでパートナーの登場です。
パートナーにはボロボロになった段ボールを
自分に向かって投げてもらいます。
(ボロボロになる前でもOK)
止まっている的から、今度は的が動きます。
その的を狙ってヌンチャクで打ちます。
振りが鈍いと段ボールに負けます。
間合いを測り損なうと空振り、または
振り遅れで威力が出なくなります。
慌てて振って足捌きが遅れると自爆します。
という事で難易度がグッと上がります。
またパートナーの方も、最初は放り投げるから、
「投げつける」に変えていき、更に難易度を上げます。
こんな事をやっていると
段ボールは更にボロボロになり、
裂けてきて、紙片へと形を変えていきます。
まだまだ終わりません。
今度はその紙片を放り投げます。
形は不定形な為、飛んでいる途中で軌道が変化します。
ヌンチャクで打つ瞬間変わることもあります。
野球で言うなら、速度は遅いが、
どこに変化するか予想できない球を打つようなもの。
しかも投げる方は、
連続で手裏剣を投げるような間隔で投げます。
こちらは打った瞬間、次に備えて体勢を整えたり、
ヌンチャクの軌道を調整したり途端に忙しくなります。
そして打つことに夢中になると自爆します。
この痛み、味わった人しか分かりません。
誰のせいでもありません。
そして周囲にはバカウケです。
でも皆こうして上達していきます。
大人でも夢中になってやるので
30分もやるとゼェーゼェー言ってます。
同じような稽古をトンファーでもやりますが、
こちらは自爆は少ないのですが、すっぽ抜けが怖いです。
以上、武器の稽古の紹介でした。
なお、型稽古は(ほぼ)やりません。
一度教えてもらいましたが、もう忘れました。
まずは威力を付ける。
その後、型を稽古した方が良い。
これが今の私の先生の方針です。
しかし以後、
型の稽古をやったことがありません。
理由は、
段ボールを打つ方が楽しいからです。
武器の稽古に関する私の考え
大会を重視した流派・団体では
武器の稽古は(あまり)しないようです。
何に重きを置いているのか?
そして稽古生が何を求めているのか?
なので、
その事について何かを言うつもりはありません。
しかし、武器の稽古の有用性は
知っておいた方が良いと私は考えます。
今は必要性を感じなくても、
年齢によって選手を引退した後などで
じっくり取り組めるものがあると、
可能性は広がります。
特に、現在は無手の技術でも
元は武器を前提にしている技もあります。
武器を手にすると、
構えや間合い、身体の使い方も変わります。
そして武器の稽古で得たものを
無手の技術にフィードバック出来ます。
また武器を稽古する事で
日常、その辺に転がっているものを
武器にすることが出来るようになります。
武器そのもを持ち歩くことは厳禁です。
現代社会では逮捕される場合もあります。
しかし武器の使い方を覚えておくと。
例えば、
ベルトはヌンチャクのように使えます。
バックル側を相手にぶつけるようにします。
長かったら二つに折ってもOKです。
但し、
ベルトを外してもズボンが落ちないことが前提です。
↑
私の一押しの武器です。
似たような感じで、夕刊紙(フジとかゲンダイ)は丸めると
そのまま武器として使えます。
破壊力はありませんが、目を狙えば
逃げるための時間を作ることも出来ます。
他には傘、ボールペン、小銭など
別に持っていても不審がられません。
一方、
相手も持っていると考える必要があります。
映画のシーンで、
取っ組み合いの最中、劣勢だった方が
ペンを相手の太ももに刺すシーンがありました。
それはそれは痛そうでした。
悲鳴あげてたし。
そして私の先生の一押しが
「缶コーヒー」
投げてもいいし、
口に含んでから吹き付けてもいいし、
相手に当てがって反対側から打っても良い。
咄嗟の場合を除けば、どこでも手に入りやすい。
いざという時に身を守るのは自分自身。
最近、急に斬りつけられる事件もあります。
不意打ちなら厳しいですが、それでも、
防御や反撃の方法を知っているのと
知らないのでは大きな違いだと私は思います。
そして、こういった話をする度に思い出すのが、
秋葉原の通り魔事件。
本気で殺意を持った人間に対したとき
どうやって切り抜けるか?
もし、自分だけでなく家族も一緒ならどう守るか?
年中こんな事を考えているわけではありませんが、
全く考えたことが無い人は、
時々考えてみると良いと思います。
災害時のハザードマップのように。
Moteの締めの一言
以前勤務していた職場で
直接打撃制(フルコンタクト)空手の
経験者がいました。
そこで少し談義になったのですが、
その方のスタイルは簡単に言うと、
「どんな攻撃も身体で受けて反撃する」
確かに鍛えられて大きな身体をしてました。
しかし内心では、
「うーん、競技としての範囲の考えだな。
しかも顔面攻撃を考えてない。」
というのが私の気持ち。そこで私は、
「顔面を攻撃してきても顔で受けるんですか?
ナイフで襲われても体で受けるんですか?」
と尋ねました。それに対して彼は
「えっ!だってそれルール違反じゃないですか?」
この時点で私とは考え方が違うと思い
何とか会話を終わらせ、
以後その人と話すことはありませんでした。
・相手が素手とは限らない。
・相手が1人とは限らない。
・場所がいつも平らで畳とは限らない。
・場所がいつも広いわけではない。
私はこういった事を前提にしています。
かといって、先の彼を
どうこう言うつもりはありません。
目標を持って一生懸命汗を流して
稽古することは尊いです。
そして競技としての空手を終えたら
私が言った内容に意識を向けてもらえたら
技の幅が広がると思います。
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私の武術の修行記録です。参考になれば嬉しいです。
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競技やスポーツとしての空手ではなく、
実用に耐えうる武術としての空手を望むなら、
武器術は色々な事を教えてくれます。
かつての私がそうであったように。
何か、感じたことがあったなら、
是非、お教えください。